HTML5プロフェッショナル
認定試験 レベル1 認定者
パスクリエイト株式会社
オウンドメディア事業部 WEBデザイナー
吉田 菜美子さん
パスクリエイトは、オウンドメディアの構築・運用を中心にWEBマーケティングサービスを提供する会社です。また、WEBを中心としたマーケティングコンサルティングも行っており、オウンドメディアの運用で培った広告運用・サイト構築・WEB分析といったWEBマーケティングの総合的なノウハウを活かして、お客様と同じ目線に立ってビジネスモデルを分析し、最適なプランを提案しています。
オウンドメディア事業の具体的な内容は、婚活サービスの比較メディアや税理士紹介メディアの運営です。税理士紹介メディアについては、紹介業務からWEB広告までを当社が一括して行っており、WEBマーケティングと税理士紹介の知見を併せ持ったスタッフが中心となって全国的に紹介事業を展開しています。また、最近では新たに通販事業も発足させ、商品企画から商品発注・マーケティング・販売まで一貫して自社で行うビジネスモデルの展開も始めました。その中で私は、WEB広告運用チームのWEBクリエイターとして制作を担当しています。
私が当社へ入社したのは3年前で、それ以前は飲食業界でカフェの店長として働いていました。転職のきっかけとなったのは結婚でした。
結婚そのものは当社に入社してからでしたが、前職で働いていたときに現在の夫との結婚を決めた際、開店にあわせた就業時間が不規則な仕事から、結婚を機にもう少し定時で働ける職場を探したいと思い、いったん仕事を辞めました。
実は私は大学で日本画を専攻していました。日本画を学ぶのはとても楽しいのですが、就職に有利とはいいがたく、その技術を活かした職業に就くことは至難の業です。しかし、クリエイティブな世界には以前からとても興味を持っていました。
そこで注目したのがWEBデザイナーという職業です。もともとテザインの基礎的な知識は、日本画学科でも学びます。しかし、デザインの知識はあってもWEBの知識がありません。そこで前の会社を退社してから、まず転職先をさがすまで約10ヶ月のブランクを作り、その間に職業訓練校に通うことにしました。
職業訓練校では、HTMLやCSS、PhotoShop、IllustratorなどのWEBデザインの基本的な知識を半年で学びました。職業訓練校には様々なコースがありますが、その中でも就学期間が長めのコースです。だた、国が民間に委託している学校なので、全員が職業訓練を完了できるようにカリキュラムが時間的にゆっくりとした設定になっています。そのため、基礎的な知識は習得できましたが、そこでの授業で得た知識だけでは実務レベルにまでは至りません。職業訓練校の終了間際から転職先を探し始めましたが、当然、それは難航しました。
採用条件に本人のポートフォリオが重視されるWEBデザイナーの場合、私のような未経験者と希望が折り合う会社はあまり多くありません。そんな中でパスクリエイトに入社できたのは幸運でした。理由として、かなり私のポテンシャルを高く評価してくれたことと、他の制作会社と違ってお客様の会社に出向くことが多い仕事がら、私の前職である店長としてのコミュニケーション力を評価されたことも大きかったと思います。
私が所属する編成開発部は社員5名で構成され、外部のパートナーとともに、WEBサイトのコンサルティングや分析、フロントエンドのデザイン、バックエンドのPHPのプログラミング、さらにお客様の依頼によってはサーバの保守についてのアドバイスに至るまで、幅広い分野でWEB制作と運用の仕事に従事しています。
現在の私の仕事は、自社が運営するメディアの既存のコンテンツを変えたり、新たなコンテンツの企画・追加、フォームの改善など、デザインとフロントのHTML、CSS、JavaScriptなどのコーディングが中心です。また、必要に応じてライティングもこなしますし、小さな規模のサイトなら構築の上流から下流まで自分でディレクションします。最近新たに始まった通販事業では、制作チーム全員でペルソナ像を作るところから始めました。
そのため、日常から様々な課題の解決が求められますので、技術的なスキルアップはつねに必要となります。これは技術者の宿命ですね。
入社してから1年半目ぐらい経ったころ、私はWEBデザイナーとしてだいたいのことはできるのではないかと自分なりに考えるようになりました。しかし、実際にはHTML5やCSS3の新しいタグ、またレスポンシブ対応などをほとんど体験しないままに来てしまっていました。職業訓練校で学んでいた当時は、HTML5の正式勧告前で、XHTMLがメインだったためです。
また入社した当初、自社サイトのメンテナンスを担当したのですが、それがけっこう前に作られたサイトだったため、HTML5の知識が乏しくても何とかなっていたということもあります。しかし当然のことながら、仕事の範囲が広がるにつれて、私は自分の知識の足りなさを自覚するようになりました。
そこでまず私がやったのは、スキルアップのためのLPI-Japanアカデミック認定校の「東京アプリ・ワークショップ」への参加でした。東京アプリ・ワークショップでは、HTML5の体験講座を「HTML5」、「CSS3」、「Canvas 2D」の3つのコースに整理し、それぞれ1日で学ぶことできる教室「HTML5アカデミー」を開催しています。
その中のアカデミー代表及びインストラクタである中島俊治先生のCSS3の講座を受講したとき、Webプロフェッショナルの知識と技術を認定する資格として、「HTML5プロフェッショナル認定試験」の存在を初めて知りました。
さっそく「HTML5プロフェッショナル認定試験 レベル1」のテキストを見てみると、私の知らないことがたくさん載っているじゃありませんか! WEBデザイナーとしての自分の将来に危機感を感じた私は、これを取得しなくてはと決心し、受験勉強を始めました。
HTML5プロフェッショナル認定試験 レベル1では、HTML5マークアップを重点として、HTML5を使った静的なWebコンテンツを作成するための知識が問われます。JavaScriptやCSS3などを用いたユーザビリティ・ビジビリティの高いWebコンテンツの設計・作成、レスポンシブWebデザインなどがその範囲となっています。
Webデザイナーにとって、ワンソース・マルチユース/マルチデバイスの対応の次世代Web標準として、すでに多くの分野で活用されているHTML5の技術は必須です。
その基本知識を認定するHTML5プロフェッショナル認定試験レベル1は、WEBデザイナーとして、一定の技術力を身につけられるだけでなく、学ぶべきスキルが分かるのでスキル指標とキャリアパスが描けるのも魅力でした。
試験勉強は、教科書や問題集、ネットの情報をフルに活用して集中的に行いました。期間は約1ヶ月間です。試験を受けるなんてすごく久しぶりでしたが、試験勉強をしているうちに「試験ってこんなふうに勉強するものだったのだなあ」とかつての記憶が蘇るのを感じました(笑)。
HTML5については、まずインターネットを使ってタグのリファレンスをすべて読みました。リファレンス系のサイトには「HTML5クイックリファレンス」や「HTML5.JP」など日本語のサイトもいくつかあります。それを、自分のPCでコードを打ち込みながら覚えました。
CSS3とレスポンシブデザインについては、それぞれ書籍を購入し、最後の仕上げとして試験用の問題集で総ざらいしました。また、勉強していく中で、通信についての知識が自分に足りないと感じたので、教科書やネットで検索しながら復習しました。
勉強の時間は、休日には半日ぐらい、平日でもだいたい30分〜1時間ぐらいは勉強に時間を割いていたので、毎日コンスタントに進めていくことができました。試験前日までにはテキストをひと通りやり終えたと思えるところまでは勉強できたと思います。
HTML5 プロフェッショナル認定試験レベル1の受験では、まず試験のために基礎知識をひととりまんべんなく勉強したことに、最も大きな意味があったと思っています。一方で、試験を通じて自分の弱点も浮き彫りになりました。それを振り返れたこともよかったと思えることです。試験を終えてから見なおしてみると、セキュリテイや通信、アプリの分野は、覚えたつもりでもまだまだ足りない部分が多いと感じました。
これらは、現在の私が担当している仕事ではあまり触れない領域ですが、試験勉強で身についた知識で仕事の視野が広がり、意識も変わったと感じられるので、取得のための勉強そのものがスキルアップの上で大きな意味を持っていたと感じています。また、HTML5に関連する基本知識をひととおり学んだということが、私の中で自信にもつながりました。
会社では、とくにどの資格を取得するようにという指示はありませんが、自分たちから職務に役立つと考えられる資格は、取得したいと申請し、それが認められれば補助も受けられます。
当社には、申請を許可された資格に対して、受験料と奨励金が支給される資格取得の補助制度があります。また、取得するのが難しい高度な技術や取得に何年もかかるような資格については、その取得がスペシャリストとしての待遇や給与にも反映されます。自分自身がスキルアップできるだけでなく、会社がそれを応援してくれるのはモチベーションも上がりますし、なにより嬉しいですね。
私が取得したHTML5 プロフェッショナル認定試験レベル1の場合は、明らかに自分の職務に直結したものでしたので、申請後、すぐに許可されて受験することができました。もちろん、取得後は受験料と金一封もいただきました(笑)。
現在、私が自分のスキルでいちばん強化したいと思い、またいちばん勉強しているのはJavaScriptなどフロントエンドの技術です。
仕事の範囲が広がってくると、JavaScriptの活用を避けては通れません。はやく初心者の域を脱しないと自分の仕事に限界を作ってしまうなと感じています。また、たとえ既存のコードを活用する場合でも、その意味やパターンを理解して活用するのとそうでないのとでは、最適化の意味でも大きな違いがあると感じるようになりました。
JavaScriptはLPIの認定資格でいうと、HTML5を活用した動的なWebアプリケーションを設計・作成する実力を認定することを目的に設計された「HTML5プロフェッショナル認定試験 レベル2」の範囲になります。したがって、次の目標ではこのレベル2の取得を目指したいと考えています。
JavaScriptは私にはかなり難しいと思える分野ですが、最近はだんだんと勉強するのが楽しくなってきましたので、今後もこの調子で学んで行くつもりです。
今はオライリー・ジャパンの初心者向けの入門書を使って勉強しており、これを勉強し終わったらHTML5 レベル2の試験を受けようと思っています。
来年3月ぐらいには取得して、新年度を迎えたいですね(笑)。
これから私がWEB業界でやりたいことはいろいろありますが、当面の目標は、フロントエンド技術を軸に自分が成長していくことです。また、WEBサービスが面白いと感じています。WEBサービスは、ユーザーの気持ちを考えて動線を引かなければなりませんし、またサイトだけで完結せず、リアル店舗やWEB広告等、様々な関連するコンテンツと組み合わせて効果を発揮するからです。
また、今後は、PCだけでなくスマートフォンやタブレット端末のユーザーも増えていきますので、モバイルデバイスにも最適化したUI(ユーザーインターフェイス=ボタンの装飾やテキスト幅などの外見)やUX(ユーザーエクスペリエンス=ユーザーの体験そのもの)が必要だと感じます。
しかし、今は、自分の技術が足りないために、想像していることや周囲が求めていることを実現できずにいることが多いと感じます。自分に高いレベルの技術力がないせいで、それらを作れていないし、提案もできていません。でも、WEBデザインの仕事にはとてもやりがいを感じていますし、転職してよかったと思っています。これからもっと力をつけてWEBの世界の最前線に行きたいですね(笑)。
HTML5 レベル1は、受験することで今の自分のレベルを測ることができます。とくに、私のように自分一人で勉強していたり、企業でも教育体制が整っていない環境だったりする場合は、HTML5プロフェッショナル認定試験を一つの基準として自分のスキルアップに活用するとよいのではないかと思います。
HTML5 レベル1の試験範囲となる基礎的な知識をまんべんなく勉強できるので、偏ることなく均一に一定レベルの知識が身について確実にスキルアップできますし、自分の覚えられる量と時間も目安も分かります。また、集中して学んだ方がスキルアップに費やす時間もかなり短縮できると思います。取得できれば欲も出てきますから、次の目標も立てやすくなるのではないでしょうか。
最近、会社の採用にも携わるようになりましたが、取得資格はそこでひとつの基準となっています。もちろん、最も重視されるのはポートフォリオですが、同じ3年の経験でも技術のレベルは様々ですし、同じマークアップエンジニアであっても、どこまで最新技術を勉強し身につけているか、それだけではわかりません。
WEBデザイナーでもコーダーとしてのスキルを証明していかなければ、企業に就職することはできない時代です。企業では、WEBデザイナーやコーダーの採用の面でHTML5プロフェッショナル認定試験は大きな指標になっていると思います。私の体験からも、WEBデザイナー方々に薦めたい資格です。
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