HTML5プロフェッショナル認定試験 レベル1 出題範囲
Ver2.0(旧バージョン)
- Ver2.0(2017年4月1日〜2022年7月31日)
- Ver2.5(2022年2月1日〜)
各項目について
- 重要度
- 試験における各分野における重要度の相対値で、おおよその問題比率となります。
- 出題種別
- 出題の種類について記載しています。
- 説明(望まれるスキル)
- 各分野の概要について記述しています。
- 主要な知識範囲
- 認定にあたって必要となる知識範囲について記載しています。
- 重要な技術要素
- 試験範囲の中でも特に重要なキーワード。ここに記載されていないものについて出題されない事を保証するものではありません。
HTML5プロフェッショナル認定試験 レベル1(Markup Professional)
望まれるスキルレベル
- ●HTML5を使ってWebコンテンツを制作することができる。
- ●ユーザ体験を考慮したWebコンテンツを設計・制作できる。
- ●スマートフォンや組み込み機器など、ブラウザが利用可能な様々なデバイスに対応したコンテンツを制作できる。
- ●HTML5で何ができるか、どういった技術を使うべきかの広範囲の基礎知識を有する。
出題範囲
1.1 Webの基礎知識
1.1.1 HTTP, HTTPSプロトコル
- 重要度
- ★★★★★★★★ 8
- 出題種別
-
- 知識問題
- 記述問題
- 説明(望まれるスキル)
- HTTPのコンテンツ作成や、サイト全体の設計を行うために必要なHTTPおよびHTTPSプロトコルに関する知識を有している。
また、ブラウザでアクセスした時に返ってくるエラーコードの意味を理解できて、問題を解決するヒントとする事ができる。
- 主要な知識範囲
-
- ブラウザとWebサーバ間でやりとりされる通信内容や手順
- HTTPリクエストにおけるメソッド種類と違い
- リクエストURIの仕様について書式や利用可能文字
- Webサーバが返すレスポンスのヘッダ項目
- Webサーバが返すレスポンスのステータスコード
- HTTPプロトコルに規定されている認証方式
- 重要な技術要素
-
- HTTP, HTTPS, SSL/TLS
- リクエストメソッド(GET, POST, HEAD, PUT, DELETEなど)
- URI, URL
- ステータスコード, リダイレクト
- HTTP Header Fields(Accept, Authorization, Cache-Control, Content-Language, Expiresなど)
- Basic認証、Digest認証
- HTTP cookie
1.1.2 HTMLの書式
- 重要度
- ★★★★★★★★★ 9
- 出題種別
-
- 知識問題
- コードリーティング問題
- 記述問題
- 説明(望まれるスキル)
- 正しくブラウザにコンテンツを表示させるために、HTMLの仕様に沿った書式でHTMLコードを記述する事ができる。
- 主要な知識範囲
-
- HTMLバージョン情報を含む文書型宣言に関する記述方法
- 要件に合わせた言語コードと、文字コード(符号化方式)の指定に関する記述方法
- HTMLで使用可能な文字参照に関する記述方法
- 必要に応じて、ヘッダ内に外部リソースを指定するリンクに関する記述方法
- 必要に応じて、ヘッダ内にメタ情報に関する記述方法
- 重要な技術要素
-
- 文書型宣言
- ISO-2022-JP, Shift_JIS, EUC-JP, UTF-8
- 文字実体参照
- <html>,<title>,<link>,<meta>
1.1.3 Web関連技術の概要
- 重要度
- ★★★★★★ 6
- 出題種別
-
- 知識問題
- 記述問題
- 説明(望まれるスキル)
- 動的なWebコンテンツを作成するプロジェクトにおいて、どのような技術や対策を行っているのかを理解し、プロジェクト内で円滑にコミュニケーションできるために必要な知識を有している。
Webコンテンツへのアクセスを伸ばす方法として、一般的に利用されているものについて説明する事ができる。
- 主要な知識範囲
-
- Webコンテンツを作成する際に使うスクリプト言語や画像ファイル、規格の概要
- Webに関する、セキュリティ脅威に関する技術の概要
- 要件に応じて、HTMLコンテンツ作成の際に理解が必要となるWeb関連技術の概要
- 重要な技術要素
-
- セッション
- Ajax
- インタレース, 画像ファイルフォーマット(BMP, PNG, JPEG, GIFなど)
- MVCアーキテクチャ
- Base64
- Data URI スキーム
- SQLインジェクション, クロスサイト・スクリプティング, CSRF (クロスサイト・リクエスト・フォージェリ), ディレクトリ・トラバーサル, HTTP ヘッダ・インジェクション
- DOM
- マイクロデータ, カスタムデータ属性
1.2 CSS
1.2.1 スタイルシートの基本
- 重要度
- ★★★★★★★ 7
- 出題種別
-
- 知識問題
- コードリーティング問題
- 記述問題
- 説明(望まれるスキル)
- 大規模なサイトやコンテンツにおいても、見やすく効率的なコードを記述し、複数のページで共有させるために必要な記述を適切に行うことができる。
- 主要な知識範囲
-
- 要件やデザイン仕様に合わせて、HTMLから利用したいスタイルシートを指定する際の記述方法
- 要件やデザイン仕様に合わせて、スタイルシートに正しいセレクタを指定しプロパティ値を指定する際の記述方法
- 重要な技術要素
-
- <link>, @import, <style>, style属性
- セレクタ, タイプセレクタ, クラスセレクタ, IDセレクタ, ユニバーサルセレクタ, 属性セレクタ
- シンプルセレクタ(疑似クラス), 疑似要素, 結合子, グループ化
1.2.2 CSSデザイン
- 重要度
- ★★★★★★★★★ 9
- 出題種別
-
- 知識問題
- コードリーティング問題
- 記述問題
- 説明(望まれるスキル)
- 要件に沿ったデザインをCSSを利用して実現する際に、どのような実現方法が適切か判断でき、仕様に沿った正しいコードを記述する事ができる。
- 主要な知識範囲
-
- コンテンツのレイアウトに関する記述方法
- 色、背景、罫線に関する記述方法
- テキスト、リスト、テーブルに関する記述方法
- コンテンツの変形、アニメーションに関する記述方法
- 重要な技術要素
-
- ボックス(display, margin, padding, width, height, max-width, min-width, max-height, min-height, float, clear, overflow, visibility)
- マルチカラムレイアウト(column-count, column-width, columns, column-gap, column-rule, column-rule-style, column-rule-width, column-rule-color, column-span)
- flex, z-index,clip
- 色指定(color, opacity)
- 背景指定(background, background-color, background-image, background-repeat, background-position, background-attachment, background-clip, background-origin, background-size)
- 罫線(border, border-style, border-width, border-color, border-radius, box-shadow, liner-gradient, radial-gradient)
- フォント(font, font-size, font-weight, font-style, font-variant, font-family, Webフォント(@font-face))
- テキスト(text-transform, white-space, word-break, hyphens, text-align, word-spacing, letter-spacing, text-indent)
- テキスト装飾(text-decoration, text-decoration-line, text-decoration-style, text-decoration-color, text-shadow, line-height, vertical-align, direction, unicode-bidi, quotes)
- リスト(list-style, list-style-type, list-style-image, list-style-position, content:counter, counter-increment, counter-reset)
- テーブル(caption-side, table-layout, border-collapse, border-spacing, empty-cells)
- 変形(transform, transform-origin), 移動, 拡大, 縮小, 回転
- トランジション(transition, transition-duration, transition-property, transition-timing-function, transition-delay)
- アニメーション(@keyframes, animation, animation-name, animation-delay, animation-duration, animation-iteration-count, animation-timing-function, animation-direction, animation-play-state, animation-fill-mode)
1.2.3 カスケード(優先順位)
- 重要度
- ★★ 2
- 出題種別
-
- 知識問題
- コードリーティング問題
- 説明(望まれるスキル)
- 大規模なサイトを作成する場合や、外部から提供されたスタイルシートを利用する場合に起こりやすい、HTMLの一つの要素に対して複数の記述が対象となる事象(プロパティの衝突)が発生した場合における適用の優先順位を理解している。
- 主要な知識範囲
-
- 外部・内部スタイルシート、インラインスタイルシートの指定に関して記述場所による優先順位
- セレクタの優先順位に関する計算方法
- 重要な技術要素
-
- カスケード
- 外部スタイルシート, 内部スタイルシート, インラインスタイルシート
- !important
1.3 要素
1.3.1 要素と属性の意味(セマンティクス)
- 重要度
- ★★★★★★★★★★ 10
- 出題種別
-
- 知識問題
- コードリーティング問題
- 記述問題
- 説明(望まれるスキル)
- HTML要素や属性のセマンティクスを理解し、コンテンツの意味を解釈しながら適切なHTML要素や属性を使ってHTMLコーディングができる。
- 主要な知識範囲
-
- HTML5.1仕様で規定されたHTML要素と属性の意味
- セクションの概念
- 重要な技術要素
-
- セクション
- 書式方向
- ルビ
- 挿入と削除のセマンティクス
- グルーピングのセマンティクス
- テキストレベルのセマンティクス
- リンクの関連性のセマンティクス
- 言語のセマンティクス
- 表のセマンティクス
1.3.2 メディア要素
- 重要度
- ★★★★★★ 6
- 出題種別
-
- 知識問題
- コードリーティング問題
- 記述問題
- 説明(望まれるスキル)
- ビデオやオーディオをHTMLコンテンツとして適切に活用できる。
- 主要な知識範囲
-
- ビデオ再生のためのHTMLマークアップ知識
- オーディオ再生のためのHTMLマークアップ知識
- ビデオファイルとオーディオファイルの知識
- 字幕表示のためのHTMLマークアップ知識
- 重要な技術要素
-
- ビデオやオーディオに関連するHTML要素と属性
- ビデオコーデック
- オーディオコーデック
- コンテナ
- 字幕
1.3.3 インタラクティブ要素
- 重要度
- ★★★★★★★ 7
- 出題種別
-
- 知識問題
- コードリーティング問題
- 記述問題
- 説明(望まれるスキル)
- ユーザーの操作を伴うHTML要素を効果的に活用できる。
- 主要な知識範囲
-
- ハイパーリンク
- フォーム
- フレーム
- コンテキストメニュー
- ディスクロージャーウィジット
- コマンドメニュー
- 重要な技術要素
-
- ハイパーリンク関連要素および属性
- フォーム関連要素および属性
- フレーム関連要素および属性
- コンテキストメニュー関連要素および属性
- ディスクロージャーウィジット関連要素および属性
- コマンドメニュー関連要素および属性
1.4 レスポンシブWebデザイン
1.4.1 マルチデバイス対応ページの作成
- 重要度
- ★★★★ 4
- 出題種別
-
- 知識問題
- コードリーティング問題
- 記述問題
- 説明(望まれるスキル)
- 要件に沿ったページをデザイン・設計する際に、どのような画面サイズであってもデザインが仕様どおりになるようなページの実現方法を理解しており、マルチデバイス対応のページを作る事ができる。
- 主要な知識範囲
-
- マルチデバイス対応ページを作成する際に考慮すべき点
- レスポンシブWebデザインにおけるページ構成要素の配置手法
- レスポンシブWebデザインにおける画像の扱い
- 重要な技術要素
-
- フルードグリッド(Fluid Grid)
- フルードイメージ(Fluid Image)
- 固定レイアウト、可変レイアウト
- viewport
- リセットCSS
1.4.2 メディアクエリ
- 重要度
- ★★★★★ 5
- 出題種別
-
- 知識問題
- コードリーティング問題
- 記述問題
- 説明(望まれるスキル)
- メディアクエリを利用して、画面サイズなどの様々な環境に合わせて表示を変えるページを作成する事ができる。
- 主要な知識範囲
-
- メディアタイプ、メディア特性を指定し、正しい構文で条件毎に適用するスタイルを切り替える場合の記述
- エラーが発生した際の、エラーハンドリングに関する記述
- 重要な技術要素
-
- メディアクエリ
- メディアタイプ
- メディア特性
- ピクセル, dpi, dpcm
1.4.3 スマートフォンサイト最適化
- 重要度
- ★★★ 3
- 出題種別
-
- 知識問題
- コードリーティング問題
- 記述問題
- 説明(望まれるスキル)
- スマートフォンでWebコンテンツを閲覧する時を考慮し、回線速度などスマートフォン特有の環境でも快適に閲覧する事ができるコンテンツを設計・開発する事ができる。
- 主要な知識範囲
-
- スマートフォンにおける画像の扱い
- スマートフォン特有の設定について、注意すべき点
- スマートフォンにて閲覧する際のパフォーマンス向上技術
- 重要な技術要素
-
- CSSスプライト
- 高解像度画面向け対応
- viewport, density, initial-scale
- ファビコン, アイコン設定(apple-touch-icon, apple-touch-icon-precomposed)
- スタンドアローンモード
- 電話番号へのリンク
- script要素, async属性, defer属性
1.5 APIの基礎知識
1.5.1 マルチメディア・グラフィックス系API概要
- 重要度
- ★★★★★ 5
- 出題種別
-
- 知識問題
- 記述問題
- 説明(望まれるスキル)
- ビデオやオーディオを適切にWebコンテンツとして活用するための基礎知識を有し、具体的に何ができるのかを理解している。
- 静的・動的を問わず、適切なグラフィックスを扱うための基礎知識を有し、適切な技術を選択できる。
- ビデオとグラフィックスを組み合わせて何ができるのかを理解している。
- 主要な知識範囲
-
- メディア関連要素のAPIが提供する機能
- ストリーミング
- DRM
- ビットマップグラフィックスの知識
- ベクターグラフィックスの知識
- 重要な技術要素
-
- メディア再生に関するAPI機能
- HLS
- MPEG-DASH
- Media Source Extensions
- Encrypted Media Extensions
- Canvasの機能
- SVGのマークアップとAPIの基礎知識
1.5.2 デバイスアクセス系API概要
- 重要度
- ★★★★ 4
- 出題種別
-
- 知識問題
- 記述問題
- 説明(望まれるスキル)
- スマートフォンやパソコンに備え付けられているセンサーなどのデバイスに関する技術を理解し、それらをJavaScriptからAPIを使って何ができるのかを理解している。
- 主要な知識範囲
-
- 位置情報
- 加速度センサー
- ジャイロ
- 入力デバイス(マウス、タッチパネル、ペン)
- 重要な技術要素
-
- Geolocation API
- DeviceOrientation Event
- DOM3 Events (UI Events)
- Touch Events
- Pointer Events
1.5.3 オフライン・ストレージ系API概要
- 重要度
- ★★★★★★★★ 8
- 出題種別
-
- 知識問題
- 記述問題
- 説明(望まれるスキル)
- JavaScriptからデータをブラウザー内に保存する仕組み、オフラインアプリケーション、最新のバックグラウンドによる処理の仕組みを理解し、Webアプリケーションで何が可能になるのかを理解している。
- 主要な知識範囲
-
- データストレージの仕組み
- オフラインアプリケーションに必要な知識
- バックグラウンド処理に関する知識
- 重要な技術要素
-
- Web Storage
- Indexed Database API
- Application cache
- Web Workers
- Service Workers
- Push API
- fetch
1.5.4 通信系API概要
- 重要度
- ★★★ 3
- 出題種別
-
- 知識問題
- 記述問題
- 説明(望まれるスキル)
- JavaScriptからさまざまな通信プロトコルを使ってクラウドと通信する仕組みと特性を理解し、利用シーンに応じて適切なAPI選択ができる。
- 主要な知識範囲
-
- Ajax
- 双方向データリアルタイム通信
- サーバープッシュ
- 重要な技術要素
-
- XMLHttpRequest
- WebSocket API
- Server-Sent Events
- WebRTC